フリーランスにおけるユニオン(労働組合)について、必要性と実例を併せてご紹介します
引用:Pinterest
そもそもユニオン(労働組合)とは
労働組合とは、労働者の権利や健康を守るため、労働者が団結して会社と交渉するための組織です。
ただ昨今の日本の企業では、労働組合の数が減っていて、8割以上の職場で存在していないのが現状です。
縦割りの社会が壁を作る
日本においては、特有の「縦割り社会」がここにも存在していて、フリーランスが労働者ではなく個人事業主として扱われているため管轄は厚生労働省ではなく、公正取引委員会にあるということ。
それによりフリーランスの立場を守られていないのが現状となっています。
日本においてのフリーランスの労働環境
日本では、まだまだ法的な面で労働者に比べて国からのサポートが薄く、社会保障や仕事を失ったときなどの雇用保険制度などまだまだ問題は先送りとなっています。
フリーランスが厚生労働省の管轄になれば、企業においての労働者の不足問題も解決に向かうだろうし、需要と供給のバランスもよくなることが予想されています。
なぜユニオンが必要
デザインやライティング、Web制作などの単発の仕事でトラブルが発生しやすい
あるクライアントとの案件、自分の経験値で2か月で終わる見込みの見積と発注指示書の契約を交わす。しかし実際作業が始まってみると採算の打ち合わせと変更が重なり、かなりのボリュームに。それでもなんとか期日までに納品し、担当者に追加業務に関しての請求を行おうと試みたけど結果は「仕様変更の対応も料金に含まれているんじゃないの?、当初の契約時に出された見積書の分しか支払えないよ。」
新米のフリーランス、最初は頑張って様々な案件にチャレンジ、運よく企業勤めした時には経験できなかった案件が続々受注され、有頂天になっていく。ある時、紹介で大企業の大きな案件にチャレンジするチャンスが巡ってきた。意気揚々と飛びついたが、実際に作業を始めてみると今までにない難易度の高い案件だった。何度もリジェクトを受けるはめに陥る。そんな中、他の案件の納期も迫り、無理をして体調を崩す。結果、継続していた案件の納品が納期に間に合わず信用を落とすはめに。
トラブル回避方法
まず、「契約書」はしっかり隅々まで確認する必要がある。中には「追加報酬の支払い条件」などの面でフリーランスが不利になりうる内容が書かれていることも少なくないようです。まず、業務に入る前にしっかり不利のないように契約を交わす。フリーランスの場合、慣れない作業から予期せぬ状況に陥るケースが多いので、最初の取り交わしをしっかりするクセを付けることはとても重要です。
確かに会社勤めの時には巡り合えなかった受注案件があるのはフリーランスのメリットではあるが、その分自分のレベルよりも高い所を望むと後でとんでもないことに。最初から無理をしない。自己管理、作業管理のそのどちらともバランスが取れるような経験値になるまで無理は禁物。自己の私生活や体調との兼ね合いを見ながら最初は最低限必要な収入から始めよう。なんといってもセルフマネジメントが必要です!
引用:lifehacker
実例①:ウーバーイーツユニオン
ウーバーイーツで働くフリーランスの人たちが労働組合「ウーバーイーツユニオン」を結成した背景には働きたいときに働ける「自由」、そしてウーバーイーツで働くフリーランスの人たちによる、事故やケガの補償・運営の透明性・適切な報酬の3つを会社へ要求するために労働組合「ウーバーイーツユニオン」が2019年、結成されました。
これにより近い将来アメリカ、カルフォルニア州においてウーバーイーツと契約しているフリーランスを「労働者」と見直す法の改定がなされる見通しとなっています。
引用:Pinterest
実例②:クリエイターのユニオンである出版ネッツ
雇用されない形で、編集、執筆、撮影、イラスト、デザイン、校正などの仕事をしているフリーランス、個人事業主の方にはお勧めのユニオンです。出版ネッツ は2人以上集めれば自由に結成できるので、自分で作ることも不可能ではありません。
職能的地位と出版文化の向上をめざす運動を1987年以来続けています。96年には関西ネッツ(出版ネッツ関西支部)も発足し、運動を全国に広げているようです。
こうした運動を大きくしていくためには、なによりもフリーランサーの結束が力となります。ただ、組合が嫌いな経営者が邪魔をする場合もあり、慎重に準備した方がいいでしょう。
まとめ
フリーランスを守ってくれる機関が日本においてはまだまだなのが現状です。そこで「ユニオン」が必要ということがよくわかりました。ただし、これもフリーランス及び個人事業主の方々の結束力が必要です。
しかし、働き方改革が広まっている昨今ではフリーランスを目指すひとも増えて来ていて、労働組合も大きく発展することが期待されます。そして国を動かす!日本も是非そうなってほしいですね。
ただし、自分の身は自分で守るのもフリーランスの原点です。トラブルの解決は必要だけど、それだけじゃなくて、個々のフリーランス自身が「強さ」と「予防」をセットで身につけていかないといけません。これも全て失敗から学ぶ。経験値が解決していくことかもしれませんが。