
これから高齢化社会が加速していくわけですが、実際自分の祖母も施設にお世話になっており、面会に行くと感じることは入居者(ご高齢者)の数に対して圧倒的に職員が足りないということ。
そして、何より思うのは低賃金ということ。サラリーマンと違って相手は24時間休みを待ってくれない相手です。
交代制とはいえ、その労働ははかりしれたものではありません。
そんな中、介護師や介護福祉士などもフリーランスとして独立を目指そうという人が増えていると聞きました。
介護師や介護福祉士のフリーランス化

答えは「YES!」です。
フリーランスと聞くとWeb制作やITなどの仕事を想像しますが、そもそも「フリーランス」とはどこにも属さないでフリーで仕事をするという意味ですから、どこの施設も人手不足に伴い需要があれば訪問し、サポート業務をするということになります。
当然、これからの社会は後期高齢者がどんと増えていくことは否めません。それに比例して介護職員も増えるかと言えばそれは明らかに「No!」です。しかし反比例してこれから大変ニーズのある職種なのです。介護師や介護福祉士はどこかで属して働かなくてもフリーとなって「自分自身が一つの会社」というイメージで捉えて行けば良いのではないでしょうか。
副業という選択
もちろん、実際にどこかに所属しながら副業も可能ではありますが、実際のところデスクワークではないので1人で全ての業務を行うには少々無理があります。
休日のみフリーランスでやるということは可能です。ただし休みなしで働かなければならないリスクが出てきます。ですからあまりお勧めはできないのですが、両立して頑張ってやっていらっしゃる方もいます。
もちろん、賃金が安いので副業をという考えもあるでしょうが、それだけ介護関連の仕事は人手が足りていない現状も否めないのです。
事前準備として心しておかなければならないこと
実際に個人事業主として開業をすると設備資金や生活費や業務資金などで1年くらいは無収入でも生活できるくらいの自己資金は必要。
● 退職後の落とし穴
会社を退職して収入が減ったからと言って即、税や社会保険料が減額されるわけではない。
● 多くの場合は健康保険料は倍増する
これまでは会社が半分負担してくれていたが、個人となると増額は否めない。
● 活動拠点において競合はいないか
利用者が絶対数少ない地方などにおいてはより確認が必要
● 業務に係る活動内容を把握しておく
広告や宣伝等のHP制作やSNSなどの広報活動など自分でやるのか依頼するのか(コスト面)
● 確定申告、経理等は自分でできるのか
確定申告は青色なのか白色なのか。自分でする場合の会計ソフトの選定は?
実際に介護職員からフリーランスとして開業した知人の話
【保険金や年金の手続きについて】
退職後すぐに国民健康保険への変更も考えましたが、保険料が前年度収入から算出されるのを知っていたため、まずは市役所で仮にどのくらいになるか試算して貰いました。現行の保険料と比較して任意継続した方が安いと分かったので、社会保険を1年だけ継続しました。
【個人事業主のメリットとして】
法律の範囲内で色んな事が自分の好きなように決められること。ただし自分の思いと世間の思いがズレていると一気に廃れてしまいますので、できるだけ患者さんに寄り添える為にも、自己のメンタルコントロールが必要になってきます。
【個人事業主のデメリットとして】
全てが自己責任になるって事位ですね。
【独立開業しやすい職業とそうでない職業】
柔道整復師や鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師は完全独立開業ができますが、理学療法士と作業療法士は医師の指示の元でしか仕事ができません。独立するに当たっては自分が慕っている先生との連携や協力も必要となってきます。世間からは医療としてみなされていない業種の為、コロナ禍で不要不急の外出に当てはめられたり、医療従事者向けの政策の対象から外されたり、患者減、売上減、廃業するところも多いですが、人が好きなら間違いなくやり甲斐のある仕事だと思います。
【これから独立を考えている人へ】
アドバイスとして思うことは、学校で教わることは基本で、そこからどれだけ実際に活用して患者さんへ還元できるかが大切。職人のような一面もあるので知識ベースに技術研鑽(練習)も必要。あと、もっとも大切なことはもちろん技術ありきですが、サービス業のような、人としての礼節やコミュニケーション能力がなければ患者さんはついてきません。これからかなり厳しい職業になると思うので、それなりの心構えや決意を持って仕事にして欲しいです。
まとめ
どんな職業も独立してフリーランスを目指そうと思ったら努力は必要ですが、人と関わることが好きな人にはこれから圧倒的に必要になってくる介護師や介護福祉士などはやり甲斐のある職業と思います。
1人で臨むことはハードルが高そうですが、資格を持って挑むことは素晴らしいことです。介護の社会でも、フリーランスはまさにこれからの働き方改革ですね!